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人見知りをしない子は愛情不足?健診相談歴20年の心理師が伝える子育てのヒント

発達
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はじめに

子どもが成長していく過程で、多くの親御さんが経験する「人見知り」。

これは単なる一時的な現象ではなく、子どもの発達において重要な意味を持っています。

本記事では、人見知りの原因や発達との関係、そして適切な対応方法と子育てのヒントについて詳しく解説します。

 

「人見知り」とは何か?

人見知りとは、子どもが見知らぬ人や初めてだったり慣れていない環境に対して、泣いたり恥ずかしがったり怖がったりするなど不安や警戒心を示す行動を指します。

一般的に、生後6ヶ月から12ヶ月頃に始まり、個人差はあるものの、2歳頃まで続くことが多いといわれています。

この時期の赤ちゃんは自分と他人を区別する能力が発達し、親しい人とそうでない人を認識できるようになるからです。

では、人見知りをしない子は発達に問題がある?と心配される方も多いかもしれません。

すべての子どもが同じように人見知りを経験するわけではありません!

子どもの人見知りの程度や期間には個人差があることはしっかりと覚えておくといいでしょう。

 

人見知りの主な原因

1. 生まれつきの気質

赤ちゃんの性格や気質は生まれつき違います。

大人でも社交的な方もいれば内気な方もいますよね!

内向的な性格や気質をもつ赤ちゃんは、外からの刺激に対して敏感に反応しやすく、人見知りの傾向が強く出ることがあります。

反対に社交的で好奇心旺盛な性格や気質をもつ赤ちゃんは、外からの刺激に対して積極的で、人見知りをしないこともあります。

生まれつきの気質の影響って本当に大きいんですよ。

 

2. 脳の発達による本能

子どもの脳が発達していく過程で、見知らぬ人や初めてだったり慣れない環境に対する不安や警戒心が芽生えます。

これは自分を守るための本能的な自己防衛反応であり、成長の一環として自然なものなのです。

脳はきちんと発達していても、気質(↑上記参照)や環境(↓下記参照)で人見知りをしない子もいます!

3. 愛着形成

人見知りをしないのは、親の愛情が足りていないから?と不安に思われる方もいるかもしれません。

結論!決してそんなことはありません。

親や保育士さんなど主要な養育者との間に強い愛着が形成されると、それ以外の人に対して不安を感じやすくなります。

これは、子どもが安心できる存在とそうでない存在を区別できるようになった証拠、自然な成長です。

ですが、子どもが育つ環境も、人見知りに対して大きな役割を果たします。

家庭や保育園、他者や友だちとの交流の頻度が高い子どもは、人と接することに慣れていて、人見知りをしにくくなります。

一方で、家族以外の人との接触が少ない環境で育つ子どもは、新しい人や場所に対して警戒心を持ちやすいです。

 

人見知りと発達との関係

人見知りは、赤ちゃんの社会的・認知的発達の重要な指標とされています。

その関係も詳しくみてみましょう。

1. 自己と他者の認識

人見知りの出現は、赤ちゃんが自分と他者を区別し始めたことを示しています。

これは、社会的認知の発達における重要なステップです。

2. 安全基地としての親

親や保育士さんなど主要な養育者を「安全基地」として認識することで、子どもは探索行動を促進させます。

少し離れても戻る場所がある!と考えて外に向かえるのです。

人見知りは、この安全基地から離れることへの不安を表しており、愛着の観点からも重要な現象です。(参考:愛着とは?

3. 社会的スキルの発達

人見知りを経験することで、子どもは他者との関わり方や社会的スキルを学んでいきます。

この過程で、適切な社会での行動やコミュニケーションの力が育まれていきます。

どうやって振舞うといいかな?どうやって関わるといいかな?と!

 

人見知りへの対応方法

人見知りはごく自然な発達の過程の一部ですが、大人として適切に対応することで、子どもの安心感を高めて、健全な発達を促すことができます。

1. 無理に慣れさせない

子どもが見知らぬ人や初めての場所、慣れない場所を怖がる場合。

慣れさせようと無理に抱っこさせたり接触させたりするのは避けましょう。

子どものペースに合わせて、段階的に徐々に慣れさせることが大切です。

いきなり抱っこされたら…怖くてびっくりしちゃいます。

 

2. 安心できる環境を提供する

子どもが不安を感じたときは、親や安心できる人がそばにいて安心感を与えてあげましょう。

安心できる人が抱っこしたり、スキンシップをすることで、子どもの心を落ち着かせることができます。

あ…ここは大丈夫なのかな。っていうのは落ち着いていないと思えないですね。

3. 見知らぬ人や場との接触をサポートする

親しい友人や家族と一緒に過ごす時間を増やし、子どもが新しい人に慣れる機会を提供しましょう。

このとき、親がリラックスしている姿を見せることで、子どもも安心しやすくなります。

子どもは親の表情や雰囲気を感じています!

↓こちらの記事も参考にしてみてください。

子育て支援センター行くべき?相談歴20年の心理師が伝える活用のメリットデメリットまとめ

 

4. 子どもの気持ちに寄り添う

子どもが人見知りをしているときは、その気持ちを理解し、無理強いせずに寄り添ってあげましょう。

「びっくりしたね」「怖かったね」「大丈夫だよ」と声をかけることで、子どもの安心感を高めることができます。

 

まとめ

人見知りは、子どもの発達における重要なステップであり、自分と他者の認識や社会的スキルの発達に深く関わっています。

大人としては、子どもの気持ちに寄り添い、安心できる環境を提供することが大切です。

人見知りは、生まれつきの気質や環境など様々な要因が絡み合い、起こり方も子どもそれぞれに個人差が大きいものです。

心配し過ぎずに子どものペースを見守りながら、心配なことが続くときには自治体の窓口など(子育て支援センター行くべき?相談歴20年の心理師が伝える活用のメリットデメリットまとめ)に相談してみてくださいね。