はじめに

仕事が大変で子どもにイライラをぶつけてしまうというご相談にいらした保護者さんが「こころの耳」を利用してみたというので、そのお話をまとめました。
「子育てと仕事の両立が大変…」「仕事が忙しくて、なんだか心が疲れてる」「この気持ち、誰かに相談できたら…」そう思ったことがあるなら、厚生労働省のポータルサイト「こころの耳」が頼りになるかもしれません。
今回は、「実際に使ってみた」保護者さんの体験をもとに、「こころの耳」がどういうサイトなのか、どんな便利な機能があるのか、そして使ってみて感じたというメリット・デメリットをまとめました。

活用を検討している方は参考にしてみてくださいね。
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「こころの耳」とは何か?
「こころの耳」は、厚生労働省による「働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト」です。
働く方、そのご家族、職場でメンタルヘルス対策に取り組む事業者などを対象に、心の健康維持やストレスに関する情報・相談窓口・セルフチェックなどを幅広く提供しています。 こころの耳
例えば、「5分でできる職場のストレスセルフチェック」があり、一定の質問で現在のストレス状態を測ることができます。
さらに、トップページにチャットボットや「対象者別」入口(働く方/ご家族の方/事業者の方など)が用意されており、利用者が自分に合った情報を探しやすい構造です。
使い勝手としては「自分の心の状態をまず可視化する/どう相談すればいいか道筋を立てる」という入口としてとても有用なサイトです。
実際に使ってみた体験レポート
(※以下すべて、お話を伺ったAさん個人の体験・感想です)
登録やアクセスまで
サイトにアクセスすると、トップページに「働く方」「ご家族の方」「事業者の方」「部下を持つ方」「支援する方」という5つのカテゴリーが並んでいます。
Aさんは「働く方」から入って、「5分でできる職場のストレスセルフチェック」にチャレンジしました。
ステップ1:入口選択
「働く方」入口をクリックし、仕事のストレスや疲労に関するツールや相談情報が並ぶページに移動。その中から「5分でできる職場のストレスセルフチェック」を選びました。
ステップ2:セルフチェック実施
チェックフォームは約50〜60問があり、「最近〇〇ですか?」「〇〇の頻度は?」といった業務・対人・精神的疲労に関する質問が続きます。
入力はマウス/タップ方式で選択肢をクリック。記名不要、個人情報は不要で、匿名で利用できる点が安心です。
結果も入力直後に表示されました。
ステップ3:結果の表示とリンク先
チェック終了後、「あなたの職場ストレスレベルは○○です」という判定が出ました(Aさんは「やや高め」レベルでした)。
その後、「このレベルの場合、こういったセルフケアをおすすめします」や「必要であればこちらの相談窓口をご覧ください」というリンクが出て、何を次にすればよいかの道筋が明示されていました。
ステップ4:相談窓口の確認
判定画面から「相談窓口一覧」へ進み、電話・メール・SNS相談の案内が表示されています。
市区町村別・職業別の相談先リンクもあり、「今すぐ相談できる窓口を探す」ことができます。
Aさんは、子どもと過ごすことになる週末や夜間帯にも相談できるという「匿名で電話相談できる時間帯(平日夕方~夜/土日)あり」という案内に安心感を持ちました。
ステップ5:深掘りコンテンツ閲覧
チェック後、「疲労蓄積度セルフチェック」や「うつ病ってどういうもの?」「職場でのメンタルヘルス対策事例」といった記事を閲覧しました。
感じた印象
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良かった点としては、「無料で手軽に使える」「匿名に近い形でチェックできる」「相談窓口までの道筋が示されている」という安心感がありました。
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気になった点は、「診断というより自己チェック/情報提供なので、深刻な不調の場合はこれだけでは足りない」ということ。「昨夜眠れなかった」「何日もイライラしている」という状態では、サイト内のチェックだけで安心してはいけないなと感じました。
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スマートフォンで閲覧した際、質問数が多いため「集中力・余裕のある時間を使ったほうがいい」という印象もありました。
体験から見えた「次のアクション」
体験インタビューを通じて、以下のような「次のアクション」が見えてきました。
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セルフチェック結果を保存(スクリーンショットなど)して、数週間後に再チェックし変化を確認。
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チェック後、提示された「セルフケアリンク」から実践可能な1~2項目を選び、実行する。「毎日10分だけ深呼吸+短時間散歩」など。
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結果で「相談を検討しましょう」と出た場合、相談窓口に連絡できるよう手元にメモを準備しておく。
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可能であれば、職場・家族と結果を共有し、共通言語としてメンタルヘルスを対話できるようにする。
体験を通じて得た「自分自身の気づき」
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自分では「まあ大丈夫だろう」と思っていても、数値化や判定が出ると「思っていた以上に疲れていた・ストレスが溜まっていた」という事実に気づけた。
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「チェックだけで終わらせない」ことが肝心。単に結果を見て終わるのではなく、「次に何をするか」を決めることが重要だと感じた。
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メンタルの不調は “気づき → ケア →相談” の流れが早めに整うほど、悪化防止につながる。サイトがその流れを作りやすい構造になっていると実感した。
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職場・家庭・自分の身体のサイン(眠れない・だるい・やる気出ない)が「チェックの結果」に重なった時、そのサインを無視しないことの大切さも感じた。「昨日眠れなかったのに今日は大丈夫」と思って放置するのではなく、「累積疲労として捉えよう」という切り替えができる。
どんな機能があるのか
「こころの耳」の中で特に活用しやすい機能をいくつか紹介します。
● セルフチェック(ストレス、疲労蓄積度など)
「5分でできる職場のストレスセルフチェック」では、約57問の質問を通じて現在の職場ストレスを判定できます。 さらに「疲労蓄積度セルフチェック」など、定期的に使えるものもあります。
● 相談窓口案内
「こころの耳」では、電話・メール・SNSなど複数の相談ルートが紹介されています。
電話相談「月・火 17:00~22:00、土・日 10:00~16:00」など時間帯指定のものもあります。
● 動画/研修コンテンツ(5分研修シリーズ)
「5分研修シリーズ」として、3〜5分程度で見られる動画が用意されており、セルフケアやライン(同僚・部下・家族)によるケアなどのテーマがあります。 「交替勤務をしている方のメンタルヘルスケア」動画なども追加されています。
● 専用コンテンツ(事例・制度・Q&A)
うつ病の基礎知識、ストレスチェック制度、職場でのメンタルヘルス対策の事例など、制度的・実務的な観点から役立つ情報も揃っています。
使って感じたメリットと気づき
メリット
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手軽さ:専門医の診断前に、自分で「今どのくらいしんどいか」を把握できる。
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道筋が見える:「どうすればいいか分からない」という状態にあるとき、「相談窓口」「セルフケア」の提示があるのが安心。
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多様な立場に対応:働く人だけでなく、その家族、部下を持つ人、事業者向けなど入口が分かれており、「自分ごと」として取り組みやすい。
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情報の信頼性:厚生労働省が運営しているため、制度や公式の相談窓口までリンクされており、「怪しい」感じが少ない。
気づき・注意点
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深刻な場合には限界:チェックや動画だけで症状が改善することはなく、「医療機関を受診する」「専門家に相談する」タイミングを見誤らないことが大切。
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定期的に使ったほうがいい:一度だけチェックして「問題なし」と出ても、状態は変化する。疲れ・ストレスは累積するため、継続的なチェックやケアが肝心。
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職場・環境の改善が不可欠:個人のセルフケアだけでなく、働く環境が変わらなければ根本解決にはつながりにくい。サイトにも職場対策の情報があるのはそのため。
おすすめな人/逆に注意したい点
おすすめな人
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「自分のストレスがどのくらいか知りたい」けれど、まだ医療機関に行くほどではないと感じている人。
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仕事や働き方で「つらい」「モヤモヤする」が整理できていない人。
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職場のメンタルヘルス対策を始めたい事業者・管理職・人事担当者。
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家族が働いていて「何か様子がおかしいかも」と感じている方。
注意したい/向かないかもしれない人
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明らかに身体的・精神的に不調が深刻で、日常生活に支障が出ている場合、専門医の診断が先決。
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「これだけで治る」「チェックしてOKならもう大丈夫」と思い込んでしまうと、必要な支援を後回しにしてしまう可能性がある。
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職場など環境が極端に劣悪で、情報提供だけでは改善が難しい場合、環境改善や法的支援など別のアプローチも必要。
まとめと今後の活用ポイント
「こころの耳」は、働く人のメンタルヘルスケアを支える有力な入口となるサイトです。
セルフチェック、相談窓口、動画・研修コンテンツといった多様なツールが揃っており、情報収集と初期対応に非常に役立ちます。
とはいえ、「入口」である以上、その後どう動くかがカギです。
チェック結果を見て「大丈夫だ」と思って放置せず、何か感じたら早めに行動することが大切です。
仕事をしている限り、心の疲れやストレスは完全には避けられません。
だからこそ、早め早めのチェック・ケア・相談体制が重要です。

ご自身の“こころケア”を大切にしてくださいね。

