はじめに
うちの子「手袋をはめてくれない」「雪遊びをしてくれない」と困っていませんか?

とても多いご相談なので、お子さんだけではないですよ。
感覚過敏の中でも触覚過敏をもつ子どもは、布の質感、縫い目、ゆとりのなさなどしっくりとこない感じに強く反応することがあります。
この記事では、感覚過敏の基本と、手袋が嫌いな子どもが雪遊びを楽しめるようにする具体的な方法、家庭でできる段階的トレーニング、選ぶべき手袋の特徴、専門家に相談するタイミングまで、実践的なアイデアをわかりやすくまとめます。
感覚過敏(触覚過敏)とは?
触覚過敏は、日常的な触覚刺激に対して過剰に反応してしまう状態です。
生地の縫い目、タグ、特定の素材、急な温度変化などが不快で、服を嫌がったり、手袋を拒否したりする原因になります。
感覚の特性は個人差が大きく、対応はその子ひとりひとりに合わせるのが基本になります。
なぜ手袋を嫌がるのか——子どもの感じ方を理解する
手袋嫌いの背景には、次のような理由がよくあります。
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素材や縫い目のチクチク感:肌に触れるたびに刺激が不快に感じられる。
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締め付け感(ゆるすぎ・きつすぎ):ゆるいと落ち着かない、きついと息苦しい。どちらも不快に感じる。
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温度差に敏感:冷たさが予想以上に刺すように感じる場合がある。
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操作性の低下:手袋で指が動きにくくなると不安やイライラが増す。
こうした反応は「わがまま」ではなく、神経の受け取り方(感覚処理)の違いによるものです。
まずは否定せず受け止めることが出発点です。
雪遊びを始める前の準備とチェックリスト
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屋内で“手袋に触る時間”を作る:まずは温かい室内で短時間、手袋を触らせる。
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着替えを楽にする準備:替えの手袋、予備の靴下、ホッカイロを用意。
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子どもの「好きな素材」「嫌いな素材」を把握する:綿、フリース、ナイロンの反応を日常から確認しておく。
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短時間で近場の雪遊びから:最初は10〜15分、徐々に延ばす。
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保護者の心の準備:周囲の視線が気になることもあるので、落ち着いて対応できるように、遊ぶ場所と時間を計画する。
これら準備は、雪で手が冷えてしまうリスクを減らしつつ、子どもの安心感を高めるために有効です。
家庭でできる段階的に慣らすステップ
ステップA:見せる・触らせる(室内)
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手袋を見せる→もったら褒める。
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手袋を布製のぬいぐるみやタオルにかぶせて感覚刺激をやわらげる。
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お買いものごっこ(お洋服屋さん)遊びをしてみる。
ステップB:はめる練習(短時間)
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薄い指先が動かしやすい手袋を数分だけはめる。
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音が鳴るまでなど短い約束をしてはめてもらう。
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指なしのミトン型、5本指手袋、と子どもの好みを親が見極める。
ステップC:温度・素材の段階的体験(屋外)
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屋外で手袋をして雪に触る遊びをする。
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素材や形状、手首部分の長さなど、子どもに合うものを探す。
「圧(ピッタリ)のあるインナーやスパンデックス類を下にはかせる」「深めのポケットに手を入れて温める」など、感覚を落ち着ける工夫が有効です。
特に、ぴったりしたコンプレッション手袋が有効な子も多いとされています。
手袋の選び方(素材・形・裏地・フィット感)
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最初はミトン(指先がまとめられた形)から:指先を分けるより温かく、操作の不便さが少ない子もいる。
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インナー(薄手のライナー)を併用:ナイロン製の薄手ライナーは指先の感覚を和らげつつ操作性を残すので、それが好きな子の場合は、その上に防水ミトンをはめる二重構成が安全。
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裏地はフリースやボアで“ふんわり”を優先:チクチクするウールは避ける。
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縫い目・タグのない(あるいは内側に折り込まれている)作り:縫い目が当たると嫌がる子が多い。
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替えを複数用意し、濡れたらすぐ交換:濡れた手袋は冷たくて不快感が増す。
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感覚グッズとしての“センサリーグローブ”も選択肢:異素材を並べた手袋や、圧を与える設計のものなど、感覚刺激を調整する製品がある。
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ちなみに。雪国では↑手首部分が長い手袋を推奨されることが多いです。
私の居住地では、手袋の手首部分に靴下を切ったものを縫い付けるように指示する保育園が多いのです。
雪が入らないようにするためなのですが、「縫うのが大変すぎる…」という親御さんのお声が多いです。

↑はじめから手首部分が長い手袋って意外とないんですよね…
感覚過敏の子どもも雪が入ってくるのがイヤということが多いので、このタイプはおすすめです。
雪遊びの遊びアイデア
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「雪のボールづくり」→ミトンでOK:手先の細かい操作が苦手ならミトンでできる遊びから。
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「雪の中の宝探し」:雪の上に色付きのおもちゃを隠し、スコップや容器で探す。直接素手で触らなくても楽しめる。
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温かい飲み物タイムをセットにする:短時間遊んだらホットココアなどでリラックス。体感の切り替えを促す。
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室内での雪ごっこ(感覚慣れ):発泡スチロールや紙などの“感触素材”(冷たさはない)で遊ぶことで段階的に慣らせる。
専門家に相談するタイミングと質問例
相談の目安:
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着替えや服の着用を常に激しく拒否し、日常生活に支障が出ているとき。
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家庭での工夫がなかなか効果を示さないと感じるとき。
相談時に伝えるとよいこと:
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具体的な「嫌がる服・手袋の素材」と「嫌がる状況(時間帯・気温など)」。
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家で試した対策とその反応(ステップA〜Cの結果)。
作業療法士に期待できる支援:
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感覚プロフィールの評価(どの感覚が強いか)、家庭でできる“感覚統合的”なトレーニング、具体的な道具(推奨手袋や圧製品)の紹介。
まとめ:無理せず遊びを工夫して笑顔を増やす
感覚過敏のある子どもにとって、手袋や雪の冷たさは大きなストレスになり得ます。
ただし「慣らし方」「素材の工夫」「遊びの設計」を組み合わせることで、無理なく屋外での楽しみを増やすことができます。
専門家(作業療法士)のサポートが有効な場合も多いので、家庭の試みで難しさが続くときは早めに相談をしましょう。

今年の冬は子どもと笑顔で過ごせますように。
こちらの記事も参考にしてみてください→子どもの感覚過敏を改善したい!
